先日の名古屋旅行で訪れたスポットについての記事を書いていますが、前回は「名古屋市市政資料館」を紹介しました。今回は名古屋市内から南へ下ったところにある「白鳥庭園」について書いていきます。


「白鳥庭園」は、有名な熱田神宮から西へ15分ほど歩いたところにあります。途中、名古屋らしさ溢れる車線の多い道路を横目にしつつ、歩行者をほとんど見かけない歩道(これまたずいぶんと幅広い)を悠々と歩いてやってきました。見学料は大人300円。

園内に入って少し歩くと視界が大きく開け、広々とした水景が広がります。この日は雨こそ降らないものの、薄曇りの空模様。それがまた古淡な雰囲気を醸し出しています。

池のほとりに佇む建物は茶室だそうです。是非ともあそこから池を拝んでみたい衝動に駆られましたが、あいにくこの日は貸出中ということで中には立ち寄れませんでした。残念。

静謐な風景の向こうにはデデンとタワマンが建っていて、ベランダで住民が布団を干したりなどしています。私にはタワマンというものの良さがいまいち分かりませんが、あそこの住民からすれば魅力的なランドスケープを常日頃見下ろしながら暮らせるわけですから、いい趣味をしているとは思います。そのランドスケープの要素に私もちょうどいま加わっているわけですね。

広々とした池には、これまた古色蒼然とした風合いの木橋がかかっています。「出会橋」という名前だそうで、確かに幅がそれほど広くないため、橋上ですれ違うときは会釈を交わしたりなどのコミュニケーションが発生しやすく、それが縁で、なんてこともあるのかもしれません。あいにくこの日は人がおらず、ひとりで悠々と渡らせてもらいましたが。

橋の下では鯉たちが悠々と、ではなく先を争うアグレッシブな様子で泳いでいました。こんないいところで生き急がなくてもよかろうに。

橋を渡った先にもまた別の池。というより、巨大な池がいくつものエリアに分かれ、それぞれが違ったテーマを与えられているようですね。

園内には座る場所もたくさんあります。しばしの間は、風景を自分のもののようにしつつお茶を飲んだりもできます。

ちょうど地元の学生さんが創作したアート作品も至る所に展示されており、風景に夢が入り込んだように素敵な光景が眺められます。

それと、衝撃を受けたのが園内にある立派な「渓流」です。私の地元は自然の豊かな場所であり、それこそ渓流も至る所にあるので見慣れているのですが、それでいてほとんど違和を感じませんでした。自然の姿をかなり忠実に再現してあるということですね。流れの「くねり」だとか、岩の大小、その並びなど、かなり自然な仕上がりだと思います。

それゆえ、このエリアはそこそこアスレチック性の高いフィールドになっています。私はほとんどスリッパみたいな靴を履いてきてしまい、それで岩と岩の間を飛び移るなどするのはなかなか緊張がありました。下の流れとの落差が2メートルはあるので、踏み外せば骨ぐらい折れるでしょうね。

渓流の中洲に立ちながら撮影。とても心が落ち着く。

堪能したところで池の中心部に戻ってきました。奥に先ほどの「出会橋」が見えます。左側にある建物が「茶寮 汐入」というカフェになっており、水場を眺めながら一休みができるそうです。

ということで、いちいち休むのが好きな私は直行しました。色々とメニューもあるのですが、「抹茶アフォガード」を注文してみました。アフォガードというと、アイスクリームに熱々のエスプレッソをかけるのが本式ですが、それが抹茶に置き換わっているわけです。

予想通りですが、抹茶をかけたらこうなりました。いきなり苔むした。味の方ですが、抹茶が容赦なく抹茶なので、当然ながら苦味が強く、それをアイスクリームで調和させて食べるのが狙いなのでしょうけど、それでもかなり抹茶の風味が打ち勝つ感じではありました。名古屋の食べ物は風味のコントラストがはっきりしていると滞在中は感じましたが、これもそのような感じ。甘いものは甘く、苦いものは苦い、というような。

庭園の一角にある東屋にて、青々とした笹藪を覗きながら。もう少し秋が進めば、この庭園も一段と素晴らしい光景になるでしょうね。名古屋で雪が積もることはさほどないと思いますが、ここは雪景色もきっと素晴らしいはず。自然や季節への憧憬を抱きながら訪れるには、実にいいところだと思いました。