コンチネンタル彼岸

意識の別荘

妙齢でいこうよ。

 

・たまーにある平日の休み。テレビを付けてると、民放は朝10時くらいから内容がダラケはじめ、育毛剤や保険、栄養剤のテレビショッピングに染まるのが実に退廃的で、好きで観たりする。

 

・そういうのの基礎化粧品のやつで、街頭で妙齢の女性の写真を見せて、「この人、何歳に見えますか」なんて聞き、街頭の人を装った人が「肌が綺麗ね。40歳ぐらいかしらね」なんて答える。そのあと、その妙齢の女性本人がデカデカと画面に現れ、「カネダヤスコ、68歳です」とか公表するのをみて、「ほら、68歳ってなっちゃったじゃん。意味ないじゃん」と思ったりもする。

 

・若く見えても、人に年齢を伝えたらその年齢なりの人間となる。後戻りはできない。なのに、わざわざ自分から曖昧さを捨ててにいくのは、「あたしゃ、入念にヒアルロン酸とかの化合物を顔にバキバキに塗布してるからこそ、お前らより数段若くみえるんじゃい。どうよ」と、種明かしをしてるようなもの。結果、努力している年齢相応の人が発見される。

 

・それをダサいと決めつける気はないけど、そういう承認欲求の切実さって、本人以上に周りの人が気を使うから疲れる。ていうか、年齢なんてもう古いよ。みんな成人を迎えたら自由になればいい。ずっとずっと妙齢でいこう。そういえば、こないだ美術館で観てきた絵の人がよかった。何歳にもみえるけど、よくわからないって素敵。