コンチネンタル彼岸

意識の別荘

「隠れ本命」だった東京の観光スポット。


こないだの3連休に2泊3日で東京に行った。1日目はオフ会。残り2日はフリーだったので、ある程度立てていた計画通り、行きたい場所を順番に巡っていった。


私は観光するとき、訪れたい「本命」の場所と、サブというのか、ちょっと気になるけど時間が押してれば別に行かなくてもいいか、ぐらいのスポットを入り交ぜて、寄ったり寄らなかったりする。でも、往々にしてそのサブの場所が予想外に面白く、満足して時間が無くなったりして、本命の場所に行かずに済ませるなんてこともよくある。


今回もそれがあった。どちらも初めて行く場所だったけど、思いのほか楽しくて私の計画を大いに狂わせた。そんな「隠れ本命」的だったスポットを2つ紹介したい。

 

 

旧岩崎邸庭園


 

 
六本木にも同じ名称の場所があるけど、ここは上野の不忍池のすぐ近くにある。1896年に岩崎彌太郎の長男の久彌の本邸として造られた建物と、庭が拝見できる。入場料四百円を払って坂をゆるゆると登った先に、建築家ジョサイア・コンドル設計の洋館が建っている。

 

 
私の知ってる東京じゃない(褒め言葉)。ここに立っていると、自分が東京にいることを忘れる。なんとなく、スペインあたりのどこか、という感じがしたのは、この日がやたら暑かったせいもあるか。

 

 
広大な庭園側からお屋敷を眺めると、ますます、私の知ってる東京じゃない。集中・密集が必然のような東京で、これほどに空間的な余裕を誇るとは。なんともいえない憧憬が湧いてくる。邸宅の中も拝見できた。残念なことに、この日は撮影不可。行ったらぜひ中をご覧になって欲しい。普段のちまちました営みを忘れるほどの優雅さである。

 

 
邸宅内には本格的な「和館」もあり、風情のコントラストに驚く。せっかくなので抹茶と茶菓子をいただきながら落ち着くことにした。私のほかに観光客はちらほらといる程度。お金をあんまり使っていないのに、贅沢をしている感じがひしひしとする。誰かがお金を使った余波が後世に生きて、私のような者にも静かに贅沢を感じさせてくれる、そんな場所。

 

www.tokyo-park.or.jp

 

 

⓶インターメディアテク


 

 

 

 
東京駅のすぐそばにデデンと聳えるJPタワー。その中にKITTE丸の内というショッピングモールがあり、その一角にインターメディアテクがある。一言でいうなら、ビジュアル特化型の博物館、といった趣。

 

 
展示されているものはいずれも本格的で、化石標本、骨格標本、鉱石、史跡からの発掘物、昔のレトロな工業製品といった、歴史的価値の高いものばかり。ただ、それらの展示方法が、いずれもオシャレかつ遊び心にあふれている。博物館にありがちな雰囲気の重々しさがなく、軽快に歩き回れる。

 

 
なんか変なのも置いてある。ゆるキャラっぽいのもいる。

 

 
あんたどこ座ってんねんっていうのとか、知らないおっさんの胸像があるので、そういう唐突なノリが好きな人はきっと楽しめる。

 

 
眺めていると、自分が「博物館を完璧に再現した映画のセット」に迷い込んだ感じがしてくる。ここの窓からは丸の内の見事な風景が眺められ、思わず唸ってしまった。なんとなく道ゆく人を眺めていると、鳩バスに乗った乗客のひとりと目が合った。綺麗な人だった。完璧な休日感をシチュエーションの力を借りて満喫したいという人に、ここは抜群に相性がいい。

 

www.intermediatheque.jp



 
これは歩き疲れた私の足です。